2 公営企業会計の状況


T 平成15年度決算の概況
(1)法適用企業
@法適用企業の事業数は51事業で、14年度に比べ1事業減少した。
A全体では4億7300万円の経常利益を生じ、14年度に比べ改善した。
B料金収入は646億9400万円と、14年度に比べ減少した。
C累積欠損金の額は168億8200万円と、14年度に比べ増加した。
D累積欠損金を抱えている事業は18事業で、14年度に比べ1事業減少した。

(2)法非適用企業
@法非適用企業の事業数は182事業で、14年度に比べ9事業減少した。
A単年度の収支を示す収支再差引は14億1700万円の赤字となり、14年度に比べ悪化した。
B料金収入は178億6300万円、他会計からの繰入金は299億4300万円で、14年度に比べ料金収入、繰入金ともに増加し、料金収入による経営が前提の中で、繰入金への依存度が高い。
C累積の赤字を示す実質収支の赤字額は117億7000万円で、2年連続で悪化した。
D実質収支が赤字となっている事業は13事業で、14年度と同数。


U 県内の地方公営企業の実施状況について

住民生活に密接に関連する水道事業と下水道事業は、51市町村(96.2%)で実施されている。

事業の実施状況


注1) 水道事業は、上水道事業と簡易水道事業
注2) 下水道事業は、公共下水道、特定環境保全公共下水道、農業集落排水、漁業集落排水、林業集落排水、特定地域生活排水、個別排水処理
注3) 水道、病院、電気、下水道、と畜場は、企業団、一部事務組合方式で実施している市町村がある。

[周南合併による統合]
 上水道(徳山市、新南陽市)
 簡易水道(新南陽市、熊毛町、鹿野町)
 公共下水道(徳山市、新南陽市、熊毛町)
 特定環境保全公共下水道(徳山市、新南陽市、鹿野町)
 農業集落排水(徳山市、新南陽市、熊毛町)


V 法適用公営企業会計の状況

(1) 事業数
事業数は51事業で、14年度に比べ1事業減少した。
※周南合併に伴う事業数の減少であり、実質的には増減はない。

(2) 経常収支の状況
経常収益の減少以上に経常費用が減少したため、全体では、経常利益額4億7300万円と14年度(△4億7300万円)に比べて改善した。 このうち、上水道事業は、経常利益が13億2400万円と14年度より2億6000万円増加した。また、病院事業は、経常損失が7億3300万円と14年度より8億2300万円の大幅な減少となった。


(単位:百万円)
事業区分 経常収益
(注1)
経常費用
(注2)
経常損益 経常収支比率(%)
(注3)
事業数
(注4)
経常損失を生じた事業数
上水道 15 32,026 30,702 1,324 104.3 27 3
14 32,434 31,370 1,064 103.4 28 5
増減 △408 △668 260 0.9 △1 △2
病院 15 38,865 39,597 △733 98.1 14 10
14 39,108 40,664 △1,555 96.2 14 11
増減 △244 △1,066 823 1.9 0 △1
簡易水道 15 14 13 1 105.3 1 0
14 15 15 1 104.9 1 0
増減 △2 △2 △0 0.4 0 0
工業用水 15 1,093 1,175 △82 93.0 5 1
14 1,291 1,200 91 107.6 5 0
増減 △198 △25 △173 △14.6 0 1
交通 15 2,049 2,153 △105 95.1 2 2
14 2,133 2,224 △92 95.9 2 1
増減 △84 △71 △13 △0.8 0 1
ガス 15 1,370 1,325 45 103.4 1 0
14 1,360 1,342 18 101.3 1 0
増減 10 △17 27 2.1 0 0
介護サービス 15 376 353 23 106.5 1 0
14 343 342 0 100.1 1 0
増減 33 11 23 6.4 0 0
15 75,792 75,319 473 100.6 51 16
14 76,684 77,157 △473 99.4 52 17
増減 △892 △1,838 946 1.2 △1 △1

経常損益の推移

注1) 経常収益とは、固定資産売却益などの臨時的なものを含まない当該年度の経常的な収益である。
注2) 経常費用とは、固定資産売却損などの臨時的なものを含まない当該年度の経常的な費用である。
注3) 公営企業会計では、経常収支比率=経常収益÷経常費用で算出され、100%以上は単年度黒字を、100%未満は単年度赤字を表す。
注4) 周南合併に伴い上水道事業において事業数が1事業減少している。

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(3) 収益及び費用の状況
料金収入は646億9400万円と、14年度より10億1900万円減少した。このうち、病院事業は料金収入が減少したものの、他会計繰入金が増加したため、経常収益の落ち込みを軽減している。一方、費用では、企業債残高の減少等により支払利息が減少しているほか、職員給与費が減少した。 料金収入の伸びが見込めない中、一層の経費節減の努力が必要である。


(単位:百万円)          
事業区分 経常収益 (左のうち) 経常費用 (左のうち)
料金収入 他会計繰入金 支払利息 職員給与費 減価償却費
上水道 15 32,026 27,813 2,409 30,702 6,485 6,959 7,896
14 32,434 28,187 2,528 31,370 6,885 7,386 7,797
増減 △408 △374 △119 △668 △325 △427 99
病院 15 38,865 32,718 3,335 39,597 1,211 15,731 2,871
14 39,108 33,160 3,114 40,664 1,266 16,025 2,898
増減 △244 △441 221 △1,066 △55 △294 △27
簡易水道 15 14 3 11 13 2 0 1
14 15 3 12 15 2 0 2
増減 △2 △0 △2 △40 △0 0 △1
工業用水 15 1,093 963 0 1,175 16 411 143
14 1,291 1,099 0 1,200 16 424 143
増減 △198 △136 0 △25 △0 △12 0
交通 15 2,049 1,643 288 2,153 0 1,411 140
14 2,133 1,715 274 2,224 1 1,480 146
増減 △84 △72 14  △71 △0 △69 △6
ガス 15 1,370 1,203 4 1,325 67 358 211
14 1,360 1,224 4 1,342 74 37 218
増減 10 △21 △0 △17 △7 320 △7
介護サービス 15 376 351 24 353 24 172 33
14 343 326 9 342 24 173 32
増減 33 25 15 11 △0 △2 1
15 75,792 64,694 6,071 75,319 7,805 25,042 11,295
14 76,684 65,714 5,941 77,157 8,268 25,526 11,236
増減 △892 △1,019 130 △1,877  △388 △483 59


上水道事業
  15年度 14年度 増減 率(%)

年間有収水量(千m3)

185,088 187,633 △2,545 △1.4

病院事業
  15年度 14年度 増減 率(%)
年間延入院患者数(人) 776,545 792,295 △15,750 △2.0
年間延外来患者数(人) 1,339,025 1,398,673 △59,648 △4.3

工業用水道事業
  15年度 14年度 増減 率(%)

年間有収水量(千m3)

38,975 49,668 △10,693 △21.5

交通事業
  15年度 14年度 増減 率(%)
年間輸送人員<乗合>(千人) 6,897 6,450 447 6.9
年間輸送人員<貸切>(千人) 234 242 △8 △3.3

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(4) 累積欠損金・不良債務の状況
累積欠損金(注1)を持つ事業数は18である。うち12事業は14年度に比べ金額が増加した。全体額も増加した。
また、不良債務(注2)がある事業数は14年度と同じ3事業(注3)であり、その額は減少している。

(単位:百万円)
  累積欠損金 不良債務
金額 事業数 新たに発生した事業数 金額が増加した事業数 金額 事業数 新たに発生した事業数 金額が増加した事業数
上水道 15 2,666 6 0 4 44 1 0 0
14 1,992 8     59 1    
増減 674 △2     △15 0    
病院 15 14,176 11 1 8 966 2 0 0
14 13,570 10     1,221 2    
増減 607 1     △254 0    
介護サービス 15 39 1 0 0 0 0 0 0
14 57 1     0 0    
増減 △18 0     0 0    
15 16,882 18 1 12 1,010 3 0 0
14 15,619 19     1,280 3    
増減 1,263 △1     △269 0    

累積欠損金の推移

注1) 各事業年度の赤字額の累積されたもの

注2) 流動負債(一時借入金、未払金等)の額から、流動資産(現金、預金、未収金等)の額を引いた額。資金的に見て当面の支払能力を超える債務の額。
  この額が営業収益の10%を超える企業が起債を行う場合は、「経営健全化計画」を策定し、計画的な赤字削減に努めることになっている。また、計画提出後は毎年度計画に対する実施状況を検証し、報告する必要がある。

注3) 不良債務を持つ3事業のうち、山陽町の病院事業は、国の第5次病院事業経営健全化計画の指定を受けている。

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(5) 企業債発行額と残高の状況
新規発行額は平成11年度以降減少しており、過去20年間で最も少なくなった。また、企業債発行残高については、12年度をピークに減少している。
利率の高い企業債の償還が進みつつあることが、支払利息の軽減をもたらしている。


(単位:百万円)
事業区分 発行額 償還額
(元金)
企業債
残高

(左の内訳)

4%未満 4〜6% 6〜8% 8%以上
上水道 15 4,838 8,821 154,793 75,108 37,449 38,942 3,294
14 5,321 7,790 158,776 71,579 39,124 44,098 3,975
増減 △483 1,031 △3,983 3,528 △1,675 △5,156 △680
病院 15 567 2,619 39,993 30,540 6,312 2,763 377
14 1,422 2,353 42,045 32,037 6,626 2,960 422
増減 △856 265 △2,052 △1,497 △313 △197 △45
簡易水道 15 0 4 18 0 0 18 0
14 0 4 22 0 0 22 0
増減 0 0 △4 0 0 △4 0
工業用水 15 18 64 685 649 29 0 7
14 43 28 732 662 59 0 11
増減 △25 37 △46 △13 △30 0 △3
交通 15 0 0 0 0 0 0 0
14 0 0 0 0 0 0 0
増減 0 0 0 0 0 0 0
ガス 15 90 148 1,627 854 569 199 4
14 90 151 1,685 806 640 232 8
増減 0 △3 △58 49 △70 △33 △4
介護サービス 15 0 5 1,116 1,116 0 0 0
14 0 5 1,121 1,121 0 0 0
増減 0 0 △5 △5 0 0 0
15 5,513 11,661 198,232 108,267 44,359 41,922 3,683
14 6,877 10,330 204,380 106,205 46,448 47,312 4,415
増減 △1,364 1,331 △6,148 2,062 △2,088 △5,390 △732

企業債発行額と残高

 

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W 法非適用公営企業会計の状況
(1) 事業の異動
事業数は182事業で、14年度に比べ9事業減少した。
平成15年度に新たに調査対象となったのは、宅地造成〔土地区画整理〕(下松市)の1事業である。
一方、特別会計廃止等に伴い調査対象から外れたのは、宅地造成〔土地区画整理〕(下関市)、介護サービス(下関市)の2事業である。
また、周南合併に伴い8事業(簡易水道、下水道事業)が減少した。

(2) 収支の状況
 収益的収支は、21億4800万円の黒字であり、14年度より4億200万円増加した。収益的収支と資本的収支を合わせた収支再差引は、14億1700万円の赤字となり、14年度より9億4800万円悪化した。
 主な事業の状況を見てみると、簡易水道事業は収益的収支、資本的収支ともに悪化したため、収支再差引での赤字が発生した。下水道事業は、収益的収支差引の黒字がやや増加したものの、資本的収支差引の赤字が拡大したため、収支再差引は悪化した。
 総収益でどのくらい総費用と企業債償還金が賄われているかを示す収益的収支比率は65.9%と14年度より2.2ポイント悪化した。

(単位:百万円、%)
  収益的収支差引 資本的収支差引 収支再差引 収益的収支比率
合計 15 2,148 △3,565 △1,417 65.9
14 1,746 △2,215 △469 68.1
増減 402 △1,350 △948 △2.2
簡易水道 15 396 △410 △15 89.4
14 425 △399 26 92.1
増減 △30 △11 △41 △2.7
下水道 15 1,046 △2,336 △1,289 61.1
14 431 △1,237 △806 63.0
増減 615 △1,098 △483 △1.9


注1) 収益的収支
    (1年間の経営活動で発生した総収益と総費用)
   ○収益的収支差引=総収益-総費用
     ・総収益=経営に係る収入
      (料金収入などの営業収益と、補助金や他会計繰入金などの営業外収益)
     ・総費用=経営に係る支出
      (人件費などの営業費用と、支払利息などの営業外費用)
    ※法非適用の営業費用には、減価償却費などの企業会計方式にある非現金費用の概念はない。

注2) 資本的収支
    (建設事業や企業債償還金などの設備投資や借入金に係る支出、その財源となる収入)
   ○資本的収支差引=資本的収入-資本的支出
     ・資本的収入=設備投資、借入金の借入などに係る収入
      (企業債借入、国・県補助金など、建設事業に係る支出の財源となる収入)
     ・資本的支出=設備投資、借入金の償還などに係る支出
      (建設事業に係る支出、企業債償還金など)

注3) 収支再差引=収益的収支差引+資本的収支差引
      (単年度の収支を示す)
注4) 収益的収支比率=総収益÷(総費用+資本的収支のうち企業債償還金)
      (収益で賄うべきとする支出が、どの程度収益で賄われているかを示す指標)

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(3) 収益及び費用の状況
総収益に占める料金収入の割合は54.5%で、改善はみられるものの、依然として低い。このうち、簡易水道事業は71.8%と比較的高い。下水道事業ではやや改善したものの、49.7%と低い。
料金収入は、178億6300万円と、14年度より4億3100万円増加しているが、これは下水道の新規供用開始と料金改定の影響が大きい。下水道事業の料金収入は、新規供用開始と料金改定により、5億5000万円増加した。総収益における繰入金の割合は、4割近くあり、14年度と比べ、やや改善がみられるものの、依然として繰入金に依存した経営状態である。収益的収入における他会計からの繰入金は、127億4200万円と、14年度より6億4800万円減少しているが、これは下水道事業における大幅減(△4億8400万円)による影響が大きい。
総費用は、306億2200万円と、14年度より6億5200万円減少した。総費用の減少は企業債支払利息の減によるところが大きく、経費削減等による減少幅は小さい。
企業債償還金は191億3700万円と、14年度より19億3700万円増加した。特に下水道事業においては、過去に借り入れた企業債の償還が今後本格化することに加え、普及のための整備に充てる借入が今後も行われるため、償還金も増加傾向が続くと見込まれる。


(単位:百万円)
  総収益 (左の内訳) 総費用 (左の内訳) 資本的収支
料金収入 繰入金 職員給与費 支払利息 繰入金 企業債償還金
合計 15 32,770 17,863 12,742 30,622 4,406 13,816 17,201 19,137
14 33,020 17,432 13,390 31,274 4,578 14,456 16,301 17,200
増減 △250 431 △648 △652 △172 △640 900 1,937
簡易水道 15 2,805 2,014 643 2,409 377 605 612 729
14 2,835 1,986 717 2,410 394 621 613 669
増減 △30 28 △74 △1 △17 △16 △1 60
下水道 15 24,145 11,990 11,049 23,099 2,639 12,299 15,610 16,414
14 23,961 11,440 11,533 23,530 2,761 12,840 14,724 14,474
増減 184 550 △484 △431 △122 △541 886 1,940

総収益に占める料金・繰入金の割合


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(4) 実質収支の状況
単年度の収支に累積の黒字・赤字を示す実質収支では、黒字が7600万円減少し、赤字は4億8100万円増加した。実質収支の赤字額117億7000万円で、総収益の35.9%に相当する額になっている。

(単位:百万円、事業数)
実質収支 黒字事業 赤字事業
黒字額 黒字事業数 赤字額 赤字事業数
合計 15 1,420 169 11,770 13
14 1,496 178 11,289 13
増減 △76 △9 481 0
簡易水道 15 174 32 9 1
14 195 35 0 0
増減 △21 △3 9 1
下水道 15 310 85 3,596 4
14 416 91 3,318 5
増減 △106 △6 278 △1

実質収支の推移


・15年度決算で赤字となった事業は下記の13事業である。
 このうち、岩国市の簡易水道事業については、上水道事業への事業移管経費の負担によるものであり、16年度には解消する見込み。
 簡易水道事業 1事業  岩国市 ※下線部は、15年度決算で新たに赤字になった事業
 港湾整備事業 1事業  下関市
 市場事業 1事業  岩国市
 観光施設事業(休養宿泊) 1事業  秋芳町
 観光施設事業(索道) 1事業  岩国市
 観光施設事業(その他) 2事業  美東町、秋芳町
 宅地造成事業(臨海土地造成) 1事業  下関市
 駐車場整備事業 1事業  下関市
 下水道(公共下水道) 4事業  宇部市、防府市、岩国市、光市
 
営業収益に対する実質収支が10%を超える企業が起債を行うに当たっては、「経営健全化計画」を策定し、計画的な赤字削減に努めることになっている。また、計画提出後は、計画に対する実施状況を検証し、報告する必要がある。

(5) 他会計からの繰入金の状況
料金収入とは別に、他会計繰入金として299億4300万円が一般会計等から繰り入れられている。公営企業に関する費用については、受益者からの料金収入により賄われることが原則であるが、収入において他会計繰入金の占める割合が大きく、料金による経費回収の割合の低い状況が続いている。


 収益的収入:企業の経営活動に伴い発生する収入(料金収入など)
 資本的収入:施設整備等の建設改良に係る収入(国庫補助金、企業債など)
 他会計繰入金
  ・基準内繰入金:法令等の規定に基づき、一般会計が負担すべきものとされている経費および一般会計が補助ないし出資することが適当であると国が定めた経費などに充てる目的で一般会計から繰り入れるもの。
  ・基準外繰入金:基準内繰入金以外の繰入金

収益的収入における繰入金の状況

資本的収入における繰入金の状況

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(6) 主な事業の経費回収の状況
ア 簡易水道事業

簡易水道事業の給水原価は247.1円/m3、供給単価は161.3円/m3であり、その差(85.8円/m3)は料金収入で賄われておらず、一般会計からの繰入金等により補てんされている。

給水費用における料金収入の占める割合

イ 公共下水道事業

公共下水道事業の処理原価は321.9円/m3、使用料単価は136.9円/m3であり、本来回収すべき原価の42.5%しか料金回収されておらず、その差は一般会計からの繰入金等により補てんされている。 供用開始直後は処理原価が高くなる場合もあるが、使用料水準が低い団体も多い。下水道事業に対する一般会計の負担は、財政運営に支障を来たす恐れもあり、維持管理費の節減や効率的な整備、適正な料金水準の設定が必要である。

汚水処理費における料金収入の占める割合


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(7) 企業債発行額と残高の状況
新規発行額は平成11年度以降減少しており、平成4年度以降で最も少なくなった。しかし、企業債の残高は4054億円と、増え続けており、今後もこの傾向は続くと見込まれる。 主には下水道事業における残高の増加によるものである。下水道における企業債は、普及のための整備が一段落するまで、残高の増加が続くと見込まれる。

企業債残高、発行額の推移

企業債残高の伸び

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X まとめ

 地方公営企業は、水道や下水道など、住民生活に身近なサービスを提供する役割を果たしているが、一部の事業においては、利用者の減少に伴う料金収入の低迷、あるいは一般会計からの繰入金に依存する等の厳しい経営状況が続いている。
 更に、今後においては、人口減少に伴う利用者の減少等、料金収入を押し下げる要因が大きくなるとともに、市町村財政も一段と厳しさを増していることから、今まで以上に経営状況が厳しくなることが予想される。
 そのような状況において、本来の目的である公共の福祉の増進が図られるためには、サービス供給のあり方の再検討、あるいは民間的経営手法の積極的導入等による経営基盤の強化を一層推進する必要がある。
 また、サービス供給自体の継続の必要性についても、サービスが住民ニーズや社会情勢に対応しているか、当初の目的を達し役割を終えていないか等の観点から、事業実施することの必要性そのものを再検討するという原点に立ち戻ることも重要である。
 一方で、サービスを今後も安定的に供給するためには、利用者であり、かつ料金や税金で公営企業を支えている住民の理解と協力の下に経営を進める必要性があることから、中期経営計画の策定、業績評価、積極的な情報開示を実施することにより、より一層計画性・透明性の高い企業経営の推進に努める必要がある。

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